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zoom RSS 太陽系に最も近い恒星系に「生命生存可能」な惑星発見か?

<<   作成日時 : 2016/10/19 16:36   >>

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ナショナルジオグラフィックとAFPBB Newsをチェックしていて、興味深い記事を見つけた。
それは、「太陽系に最も近い恒星プロキシマ・ケンタウリの周りで地球型惑星が見つかった」という記事だ。

まずは、プロキシマ・ケンタウリについて。
太陽系に最も近い恒星系といえば、ケンタウルス座α星(アルファ・ケンタウリ:Alpha Centauri)が知られている。太陽系からの距離は4.39光年だ。このケンタウルス座α星は実は1つの星ではなく、3個の恒星からなる三重連星なのだ。主星はケンタウルス座α星A(Alpha Centauri A)と呼ばれる、太陽よりやや大きい(半径は太陽の約1.3倍、質量は太陽の約1.1倍)太陽に似た黄色の主系列星だ。次に、第1伴星はケンタウルス座α星B(Alpha Centauri B)と呼ばれる、太陽よりやや小さい(半径、質量ともに太陽の約0.9倍)橙色の主系列星だ。
さらに、A星とB星のペアから0.2光年離れたところに、プロキシマ・ケンタウリ(Proxima Centauri)と呼ばれる第3の星(第2伴星)がある。太陽系からの距離は4.24光年で、太陽系に最も近い恒星として知られている。この星はA星、B星と比べてかなり小さく(質量、半径ともに太陽の1/7ほど)、赤色矮星に分類される。表面温度も3000K程度で、太陽(5800K)に比べるとかなり低い。

この太陽系と目と鼻の先ほどの距離にある恒星プロキシマ・ケンタウリの周りで、地球ほどの大きさの惑星が発見されたという。名前はプロキシマb(Proxima b)。記事によると、この惑星は、公転軌道の大きさから推測される温度は、表面に液体の水が存在できる程の暖かさだという。

プロキシマbを発見したのは「ペール・レッド・ドット(Pale Red Dot: 淡い赤色の点)」プロジェクトと呼ばれる研究チームだ。この名前は、米国の天文学者でSF作家でもあったカール・セーガン(Carl Edward Sagan, 1934 – 1996)が、はるか彼方から見た地球を「ペール・ブルー・ドット(Pale Blue Dot: 淡い青色の点)」と呼んだのにあやかったものだという。

それでは、プロキシマ・ケンタウリの周りを惑星プロキシマbがまわっていることを、研究チームはどうやって確認したのか?

彼らは惑星があることを確認するために万全を期したようだ。
というのも、ケンタウルス座α星に惑星が発見されたという報告はこれが初めてではない。2012年にB星の周りに地球程度の質量を持つ惑星があるかもしれないという発表があった。しかし、この発表は十分な観測が行われないうちに先走って行われたもので、後に惑星の存在は否定されてしまったのだ。研究チームとしては、このような「ヘマ」をやるわけにはいかなかったのだ。

研究チームは計54日間にわたって収集されたデータに基づいてプロキシマbの存在を確認した。
2000年から2014年にかけて散発的に行なわれた観測から、プロキシマbの周りを約11日の周期で公転する惑星の存在が示唆されていたが、信号が不明瞭で、このときは「惑星」と断定するには至らなかった。そこで研究チームは、2016年初めに南米チリにあるヨーロッパ南天文台(European Southern Observatory:ESO)の高精度視線速度系外惑星探査装置(High Accuracy Radial Velocity Planet Searcher: HARPS)を使って、主星プロキシマのふらつきを観測した。
惑星が主星の周りを公転すると、重力によって主星がわずかに引っ張られてふらつくが、惑星の大きさが小さくなると、惑星が主星を引っ張る力も弱くなるためふらつきの程度も小さくなり、高感度の測定装置で長期にわたって観測しなければならない。研究チームは辛抱強く観測を行ない、データを蓄積していった。そして、ついに惑星と認められると結論づけられる結果を得たのだ。

観測データから、プロキシマbの質量は地球の1.3倍、公転周期は11.2日で、主星からは約700万kmしか離れていないことがわかった。この距離は、太陽と地球の間の距離(約1億5000万km)に比べると約1/21とあまりにも近い。
しかし、主星からの距離があまりにも近いからといって、そこがハビタブル・ゾーン(Habitable Zone:生命居住可能領域、ゴルディロックス・ゾーン(Goldilocks Zone)とも呼ばれる)から外れていると考えるのは早計だ(主星から惑星までの距離が700kmというのは、太陽と水星の間の距離(平均で約5800万km)に比べてはるかに近いので、距離だけを考えれば、そこは灼熱の世界と考えたくなるけど…)。というのも、主星プロキシマ・ケンタウリは赤色矮星で、表面温度は3000Kと太陽(表面温度は5800K)よりかなり低い。そのため、新発見の惑星プロキシマbの表面温度は、水が蒸発するほど高温ではなく、氷結するほど低温でもなく、液体の水が存在できるハビタブル・ゾーンにあるという。ただし、ハビタブル・ゾーンにあるからといって、必ずしも生命が居住できる環境であるとは限らない。

そもそも主星のプロキシマ・ケンタウリは太陽と似ている点が全然ない(しいてあげれば年齢くらいだ。プロキシマ・ケンタウリの年齢約48.5億年に対して、太陽の年齢は約46億年だ)。質量は太陽の12%程だが、磁場の強さは太陽の600倍もあり、そのためプロキシマの表面では巨大なフレアが発生しているという。さらに、太陽に匹敵するほどのX線も放出していて、太陽より弱いものの、大きさが小さい分、相対的に強い恒星風(太陽の場合は太陽風という)も吹いているという。そのため、すぐ近くをまわっているプロキシマbには高エネルギー粒子が降り注いでいると考えられる。仮にプロキシマbに大気があったとしても、これらによってはぎ取られているかもしれない。そうすると、強力な放射線が地表に直接降り注いでいる可能性もある。
これらを考え合わせると、プロキシマbは生命が存在するにはあまりにも過酷な環境と考えられ、生命が存在する可能性は限りなく低いのではないかと思われる。

ただ、AFPBB Newsの別の記事では、フランス国立科学研究センター(Centre national de la recherche scientifique:CNRS)などの研究チームの研究によると、プロキシマbの表面が海で覆われている可能性があるという。
彼らはシミュレーションに基づいてプロキシマbの大きさと表面特性を算出した。計算の結果、プロキシマbの半径は地球の半径の0.94~1.4倍(地球の平均の半径は6371kmなので、5990~8920km)の範囲にあることがわかったという。
最小と最大のそれぞれの場合について見ていくと、まず、半径が最小値の5990kmの場合、プロキシマbは
・非常に高密度で、質量の2/3を占める金属のコアが岩石のマントルに覆われている。
・表面に水があるとしても、質量への寄与は0.05%を超えない(地球の場合は0.02%で、これに近い)。
と考えられる。
一方、半径が最大値の8920kmの場合、
・プロキシマbの質量は、岩石質の中心部とそれを覆う水とで半々の割合になっている。
と想定される。CNRSによると「この場合、プロキシマbは深さが200kmに及ぶ液体の海で覆われていると考えられる」という。
そしてどちらの場合も、地球のように希薄なガス状の大気が惑星を取り巻いていて、潜在的に生命の生存が可能な状態になっている可能性があるという。

プロキシマ・ケンタウリのハビタブル・ゾーンに位置していると考えられる惑星プロキシマbは、本当に生命が生存できる環境なのか、はたまた、生命が生存するには過酷な環境なのかは、今のところわからない。
しかし、太陽系と目と鼻の先ほどの距離にあるプロキシマbは、いずれは探査機が送り込まれるかもしれない。その時には本当の姿が明らかになる(相当先の話になるだろうし、実現の可能性もわからないが)。

関連記事はこちら。
ナショナル・ジオグラフィックの記事:
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/082600316/
AFPBB Newsの記事(その1):
http://www.afpbb.com/articles/-/3098634
AFPBB Newsの記事(その2):
http://www.afpbb.com/articles/-/3103547
Natureの記事:
http://www.nature.com/news/earth-sized-planet-around-nearby-star-is-astronomy-dream-come-true-1.20445





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