quarkの独り言

アクセスカウンタ

zoom RSS 「最大の動物が最速でない」理由を解明か?

<<   作成日時 : 2017/07/30 17:57   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

ネットのニュースをチェックしていたら、面白いニュースに出くわした。それは、
「最大の動物が最速でない」理由を解明か、研究
という記事だ。

地球上の動物の走る速さは、体が大きいほど歩幅が大きくなるので早く走れると考える人もいるかもしれない。例えば、地上最大の動物であるアフリカゾウの最高速度は40kmだが(ゾウの場合、走るというより歩くと言った方がいいかもしれないが)、これは人類最速の男ウサイン・ボルトの走る速さより速い(100mを9.6秒で走った場合、時速37.5kmだ)。しかし、ゾウより小さな中間の大きさの体をしているチーターは時速100kmを優に超える速度で走ることができるでの、体が大きい動物が必ずしも最も早い速度で走ることができるわけではないというのは、よく知られた事実だ。

今回米科学誌「ネイチャー・エコロジー・アンド・エボリューション(Nature Ecology and Evolution)」に論文を発表したのは、ドイツ統合生物多様性研究センター(German Centre for Integrative Biodiversity Research)の生物学者のミリアム・ヒルト(Myriam Hirt)氏を中心とした研究チームで、彼らは動物の動く速度を予測する新たなモデルを構築した。そのモデルを使えば、ショウジョウバエからシロナガスクジラまで、動物の速度の限界を90%の精度で予測でき、陸上、空中、水中の動物に関わらず、最小の動物でもなく、最大の動物でもなく、その中間の大きさの動物が、最大の速度で走る理由を明らかにした。

単純に考えると、速い速度で走るには大きな筋力が必要と思われるが、彼らのモデルによれば、筋力だけでは最高速度は決まらず、筋肉に蓄積された加速時に利用可能なエネルギー量と、加速時間によって決まるという。体が小さすぎると、そもそも筋肉組織の量が足りないため、速く走ることができない。逆に大きすぎると、質量(体重)が過剰になるので、最高速度に達するまで長い時間がかかる。加速の局面では、筋肉が無酸素的に働く必要があるが、そこで利用可能な筋肉に蓄積されたエネルギー量が限られている。大きな動物は加速時間が長くなるため、最高速度に達するまでに筋肉から供給される無酸素性エネルギーを使い果たしてしまうからだ。そのため、体が大きくなりすぎると逆に最高速度が低下してしまうのだ。

研究チームは、軟体動物からクジラまで、飛行動物も含む474種(体重30μgから100トンまで)のデータと彼らのモデルのアウトプットを比較した結果、動物の大きさが中型の域を超えると急激に低下するという彼らの予測には、良好な適合性が認められたという。そして、陸上ではチーター、空中ではハヤブサ、水中ではマカジキのような中間規模の体の大きさが、筋力とエネルギー出力との間で最高速度が出すのに最適であることが示されたのだ。
「今回の発表の興味深い点は、彼らのモデルが陸上、空中、水中のいずれの動物にも同じようによく当てはまることだ」と、別の研究者らはコメントしている。

さらに、今回の研究では、現存する野生動物だけでなく、恐竜のようなすでに絶滅した動物の最高速度も予測している。この結果から、興味ある次の疑問にも答えを出している。
我々はティラノサウルスから逃げ切れるか?

地球上に存在した最大級の肉食恐竜であるティラノサウルスの最高速度は、長い間古生物学者の間で論争の的となってきていて、これまでの推定では時速18kmから54kmとかなり幅があるものだった。しかし、今回の研究による予測では、ティラノサウルスの最高速度は時速27km前後という結果が出ている。これはティラノサウルス(体長12mほど)よりはるかに小さいヴェロキラプトル(体長2mほど)の最高速度55kmの半分ほどしかない。そうすると、ティラノサウルスの最高速度はウサイン・ボルトの最高速度時速37kmより10kmほど遅いことになり、足の速い人ならばティラノサウルスから逃げ切れそうだ。

ティラノサウルスが思ったほど足が速くないのは、古生物学者にとっては、とりたてて驚く結果ではないという(ティラノサウルス・ファンにとっては見過ごせないことかもしれないけど…)。
このことは別の研究でも示されていて、英マンチェスター大学の古生物学者ウィリアム・セラーズ氏らの研究チームは、ティラノサウルスの約7トンという体重と骨の力学的性質を合わせた新しいモデルを開発し、そのモデルで骨にかかる応力を考慮すると、走っている時には骨はある程度まで負荷に耐えられるが、それを超えると骨が砕けてしまうという。つまり、ティラノサウルスは白亜紀の恐竜たちの中では、どちらかというと優秀なアスリートではなかったということが示されたのだ。

では、古生物学者ではない僕らのような普通の人が、ティラノサウルが速いと思い込んでいるのは何故なのか? それは映画の影響のようだ。
映画『ジュラシックパーク』の中で、ティラノサウルスがジープを追いかけているシーンがあるが、ジープが高速で逃げているとしたら、それはありえない話なのだ。ギアが1速になっていれば別だが、そうなると、「ギアを1速しか使えないの? シフトアップせんかい!」とツッコミを入れたくなるようなシーンなのだ。


関連記事はこちら。
AFPBB Newsの記事:http://www.afpbb.com/articles/-/3136125
ナショナルグラフィックの記事(1):http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/17/071900273/
ナショナルグラフィックの記事(2):http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/c/072000049/
Nature Ecology & Evolutionの記事:http://www.natureasia.com/ja-jp/natecolevol/pr-highlights/12038

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
「最大の動物が最速でない」理由を解明か? quarkの独り言/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる